「ルポ 自助2020―」石井光太著
2020年3月、兵庫県伊丹市の介護老人保健施設「グリーンアルス伊丹」のデイケア利用者がコロナ陽性になった。感染症対策としてはワクチン接種や面会の制限などを実施していたが、数日後には関係者32人の感染が判明、4人が死亡する。新聞報道によってバッシングが起こり、デイケアも中止する。利用者の家族が自宅で介護せざるを得なくなり、心身共に追い込まれていく。だが、グリーンアルス伊丹に感謝のメール、FAXなどが届くようになり、職員たちの心を支えた。
ほかに、両親の在宅勤務で子どもの虐待が起きるなど、コロナ禍で発生したトラブルを乗り越えた人たちの記録。
(筑摩書房 1650円)