「深淵の色は佐川幸義伝」津本陽著

公開日: 更新日:

 著者自身も門人として師事した大東流合気武術第36代宗家・佐川幸義氏の評伝。

 著者が初めて師と出会ったのは昭和62(1987)年の7月3日、師の85歳の誕生日だった。佐川氏の師である武田惣角は、昭和18年に亡くなるまで、「今卜伝」と称され、不敗の歴史を誇った。 一方の佐川氏は60代、70代、そして80代と年を重ねるにつれ、その技は一層に磨かれ、まったく力を用いず、相手を思うがままに浮き上がらせ、投げ飛ばしていたという。男盛りの武道家が4、5人がかりでかかってもかなわず、惣角を超えたといわれていた。

 95歳で亡くなる直前まで門人らを稽古指導したその生涯を、数学者の木村達雄氏ら高弟たちの日記や証言をもとに描き、佐川合気の奥義に迫る。

(実業之日本社 847円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動