「年寄りは本気だ」養老孟司、池田清彦著
養老はちょっと前に「AI支配でヒトは死ぬ。」という本を出した。AIが進化しすぎると、生き物としての人間の調子が狂って、自分で考えたり行動したりすることをしなくなるかもしれないと危惧したのだ。
池田は、人間には倫理や道徳があるが、技術がそれに先行する、倫理や道徳は技術を変えないが、技術は倫理や道徳を変えると指摘する。
例えば、汎用型のAIが開発されたら、人間の雇用に影響が出る。人間がAIの奴隷になる可能性があると。
その半面、AIは将棋やスポーツのようにルールがあるものを予測することはできるが、気候のような非決定の未来を予測させるとたいていはずれる。
解剖学者と生物学者が、現代の問題について語り合う。
(新潮社 1705円)