「孤独の哲学」岸見一郎著
コロナ禍によって自由に人と会えなくなり孤独を感じている人も多い。こうしたコロナ禍の孤独は、自分の意思で選んだ孤独と異なり、耐えがたい思いを人に強いる。そんなコロナ禍によってもたらされた孤独をはじめ、対人関係や高齢化、そしてSNSをめぐる問題など、現代社会で多くの人が感じている孤独とどう向き合っていくべきかを考察した人生論。
普通は、人から離れていると孤独を感じると考えるが、人の中にいるときにこそ孤独を感じる人もいる。何かに傷ついたり誰からも理解されないと思ったりしているときに、その苦しみから逃れるために一人でいようとすることもある。そうした孤独の条件から、孤独を克服する方法まで。古今東西の哲学者の言葉をひもときながらつづる。
(中央公論新社 924円)