第二話 立場的にあり得ない(19)売店にリストの中の男性が
涼子は自分の腕を掴んでいる貴山の手を、乱暴に振り払った。
「そんなに強く握ったら痛いじゃない。あとが残ったらどうすんのよ」
「しっ」
貴山は自分の口に、人差し指を押しあてた。涼子が黙ると、その人差し指を売店の出入口に向けた。
「あの男性、リストのなかの…
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