「日本に住んでる世界のひと」金井真紀著
ミャンマーでは軍政下で人々を支配しやすくするために「考えさせない」教育を徹底している。
政府高官の子弟は海外留学して裕福な生活をしているが、義務教育ではないため、貧しい人々は読み書きができない人も多い。両者の格差を埋めないようにして、貧しい人が民主主義に目覚めるのを阻んでいる。1988年に帰国したアウン・サン・スー・チーが演説するのを聞いて、多くの人が目覚めたという。
キンサンサンアウンは姉を追って日本に留学しようとしたが、姉が送ってくれた日本製品を役人に賄賂として送り続け、パスポートをとるまでに1年近くかかった。(「キンサンサンアウンさん」)
ほかに、かつてはソ連だったアルメニアの大使など、日本在住の外国人の祖国を紹介するドキュメント。 (大和書房 1760円)