「北山耕平 青春エッセイ集」北山耕平著
70年代の若者カルチャーを牽引した雑誌の編集者によるエッセー集。
1966年、16歳の高校生だった著者は、敷かれたレールを進ませようとする周囲の大人の圧力に嫌悪感や苛立ちを感じていた。
そんなある日、女の子からプレゼントされた「ライ麦畑でつかまえて」に天啓を受け、世界が一変。さらにその年に来日したビートルズの公演をテレビで見て、誰もがその気になれば「ライ麦畑──」の主人公ホールデン・コールフィールドになれるのだと確信した著者は、それ以降、意識して大人たちから「変な子供」と思われるような言動をとりはじめる。
そうした自らの体験を語りながら、あとに続く若者たちに自分とは何かを知り、それを探すために自分という枠から出ることの大切さを伝える。
(筑摩書房 902円)