「虚心」吉川英梨著
「虚心」吉川英梨著
埼玉県警本部に、黒部山で大規模な土砂崩れが発生したとの情報が入った。県内最大のスポーツパーク、秩父アミューズメントパークを分断するように崩落している。清掃の仕事をしていた女性がひとり、行方不明になった。
前日からの雨の総雨量は800ミリで、土砂崩れが起こるようなレベルではない。この崩落で流された家屋はないとのことだったが、崩落の瓦礫は1軒や2軒の量ではなかった。
埼玉県警の奈良は、崩落の現場が16年前は産廃業者、金文商事の土地だったことに気づく。金文商事の社長は、当時、黒部の殺人事件の容疑者だった金木大輔だった。
16年前の未解決事件に立ち向かう刑事を描く警察小説。 (幻冬舎 1980円)