「戦火のオートクチュール」佐野広実著
「戦火のオートクチュール」佐野広実著
真理は、自宅近くで大津と名乗る男に呼び止められる。大津は外務省の依頼で、真理の母親・智子が元職員の久能範義の消息を照会した件について調査をしているという。母とは疎遠の真理には何のことか分からない。どうやら久能という人物は外交機密に関わる仕事をしていたようだ。
やがて、久能が戦時中にパリに赴任していた外務省の1等書記官で真理の曽祖父だと分かる。母はパリに同行した久能の娘で、自分の母親・千沙の遺品について調べているようだ。遺品のシャネルのスーツは血痕で汚れていた。真理は母に付き添い、千沙の足跡を求めて、遺品に同封されていた航空便の手紙を頼りにフランスに向かう。
謎多きココ・シャネルの人生の秘密に迫る長編歴史ミステリー。 (祥伝社 1034円)