「合理的にあり得ない2」柚月裕子著
「合理的にあり得ない2」柚月裕子著
どんな依頼でも引き受ける上水流(かみづる)涼子は、新宿の裏道にある雑居ビルの5階に事務所を構えている。
ある日、古矢信之という男が手付金として100万円、即金で払うと言って妙な依頼をした。関西空港に航空便で送られたある荷物を載せたまま、1500㏄のミニバンが行方不明になった。それを捜してほしいという。レッドリストに載った国際保護動物ではないかと思われたが、涼子は物理的にあり得ないと考えた。ミニバンでは動物を入れた檻は大して運べない。
部下の貴山は江戸川区にある大曽我製作所の2代目、大曽我祐介に目をつけた。大曽我は7年前、動物の密輸に手を出したことがある。
女性探偵が難題を解決するミステリー3編。
(講談社 1760円)