「『女の世界』 大正という時代」尾形明子著

公開日: 更新日:

「『女の世界』 大正という時代」尾形明子著

「女の世界」は1915年から6年間発行された女性誌である。ジャーナリストの野依秀一(のより・ひでいち)が作った、「青鞜」や「婦人公論」のような教養主義でも、「主婦之友」のような実用主義でもなく、自由奔放でアナーキーな雑誌だった。創刊号の巻頭には慶応義塾塾長・鎌田栄吉の論文「女の独立自尊」を掲げて、女性による「廃娼運動」を後押しした。幸田露伴は女性に参政権を与えよと主張した。

 その一方で「好男子番附」といった勝手な採点も載せた。社会主義者の堺利彦らが編集に関わり、女性の権利から華族、実業家のスキャンダルまで取り上げる、何でもありの雑誌だったのだ。

 ほかに、「ビアトリス」「女性改造」など、社会を騒がせた大正時代のユニークな女性雑誌を紹介する。

(藤原書店 3300円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  1. 6

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    雑念だらけだった初の甲子園 星稜・松井秀喜の弾丸ライナー弾にPLナインは絶句した

  4. 9

    「キリンビール晴れ風」1ケースを10人にプレゼント

  5. 10

    オリックス 勝てば勝つほど中嶋聡前監督の株上昇…主力が次々離脱しても首位独走