(5)恋女房が武家を不意打ち
客人たちを妓楼へ送り終えた蔦重、叔父が営む駿河屋の勝手口からすっと身を滑らせた。月光と軒灯で足元は明るい。提灯の代わりに女房への手土産のきび団子をさげている。
宴席の勘定は自腹、宴を盛り上げてくれた娘芸人にもたっぷり心づけを渡した。だが蔦重は頓着しない。
「このお…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,279文字/全文1,419文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】