(25)叔父の慈愛が口中に広がる
重三郎は吉原大門を潜った。
つい数刻前、大門を出て馬喰町へ向かった時は勇躍、心弾み胸を張っていたのだが。帰りは落胆、心萎えて背中を丸めている。
「結局は駿河屋で働くしかないんだろうな……」
叔父を仰ぎ義兄を盛り立て、お大尽に愛想笑いをふりまく日々。
…
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