(28)いいね、謎めいた笑顔
重三郎、花魁の本間に入ったはいいけれど、息が詰まるやら弾ませるやら忙しい。やっとのことで大息をついた。
「小紫さん、きれいだ」
ぽっ。小紫は頬を染める。
むっくり。焼筆と呼ばれる消し炭で小紫を写していた絵師が半身を起こす。
重三郎が声を裏返した。
…
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