(32)改まりましたァ吉原細見
大文字屋の遣手婆かげろうが広げたのは「吉原細見」、妓楼と茶屋の地図、お上臈の源氏名から格、揚げ代まで細かに記した案内書だ。
かげろうが口を尖らせる。
「ロクな出来じゃないよ」
「そうなんですか」
もちろん、蔦重だって吉原細見を知ってはいる。
…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,300文字/全文1,440文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】
初回登録は初月110円でお試しいただけます。