その不調は癖のせい!?自分の体と向き合う本特集
「姿勢をゆるめる」片山洋次郎著
日常生活の中で気付けば肩に力が入っていた、なんてことはないだろうか。自分では意識していない体の癖が、実は不調を引き起こす原因だったということもあるかもしれない。今回は、自分の体と真面目に向き合ってみたい人にぴったりの4冊をご紹介する。
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「姿勢をゆるめる」片山洋次郎著
良い姿勢といえば、多くの人が背筋をピンと伸ばした直立不動の姿勢を連想する。しかし、この「気をつけ」の姿勢は、外から見れば良い姿勢に見えるが、体にとっては持続不可能な姿勢だという。
では、本当に体にとって良い姿勢とは何か。それは、しなやかに動けて、自分自身も気持ち良く、オンとオフの切り替えがスムーズにできる姿勢であり、重心が下の方にあって膝の力が適度に抜けた武術の姿勢らしい。
本書は、野口整体の思想に触発されて独自の整体法をつくり上げてきた著者による、姿勢についての本だ。自分に合った自在に動ける姿勢に調整するためのセルフメソッド付き。
たとえばスマホやパソコン漬けの生活で首の筋肉が緊張している人に向けて、簡単に緊張をほぐせる「天を仰いでゆるめる方法」も紹介されている。
(河出書房新社 1540円)
「『調子いい!』がずーっと続く カラダの使い方帖」木野村朱美著
「『調子いい!』がずーっと続く カラダの使い方帖」木野村朱美著
体を動かすためには、筋肉に力を入れないといけないと多くの人が思っている。しかし、その認識は間違っているらしい。体の緊張をとって本来の力を最大限生かす方法を教える「アレクサンダー・テクニーク」の教師である著者が、本書で頑張らずに動かしやすい体に調整する法を伝授してくれる。
人が筋肉を動かそうとする前に、すでに余計な力が入っていたり、脳から間違った指令を出したりしていると体は疲れやすくなるため、まずは体に対する思い込みを外す必要があるという。たとえば肩からぶら下がっているように見える腕。実は骨格的には、腕は体の前面の胸骨の上が支点となって動く。なので、腕は肩から動かそうとせず、体の前面中央から動かす意識を持つと動かしやすくなるという。
本書を見ながらまずは自分の体でお試しあれ。 (日東書院 1540円)
「背中は語っている」松波太郎著
「背中は語っている」松波太郎著
普段決して見ることのない自分の背中だが、東洋医学の臨床家にとっては情報の宝庫らしい。鍼やお灸の臨床家として治療院を開いている著者は、人の背中が物語る言葉について、治療に来た患者と治療家の問答の形をとりながら本書で紹介している。
たとえば、背中に生えている毛。毛深い人ならみな同じように生えているものじゃないの? と思いがちだが、背中の1カ所だけに集中して毛がある人や、肩まで広がっている人などさまざまらしい。
なかでも肝臓が収まっている胸椎9、10番の右肋骨付近だけにヒョロヒョロとした力ない毛が生えている人の場合、肝臓回りに何かしらの問題を抱えているケースが多いという。
位置は本書イラストで確認していただくとして、自覚できていない体の不調サインを背中がすでに語っているというのは興味深い。 (晶文社 1870円)
「揺腕法」小用茂夫著
「揺腕法」小用茂夫著
椅子に座って腕を振るという至ってシンプルな方法で、自分本来の体の動きに調整する「揺腕法」。
武術を長年学んできた著者は、すべての運動の出発点となる「身体の基準性」という考え方にたどり着いた。たとえば、立っている姿勢から1歩踏み出して相手を突くといった動作でも、まずはその起点となる立つ姿勢ができなければ、しっかりとした突きをすることはできない。著者はこの動きの起点となる身体の基準性を追い求めるうちに、地面に対して体が垂直でなおかつ肩や腰のラインが地面と水平になる姿勢で、加えて腕や足などを関節ごとのパーツで動かさずにひとつながりに動かすことを育む運動として「揺腕法」に行き着いたという。
豊富なイラストと写真を参考にして、本書で自分の身体の基準を探してみてはいかが。 (日貿出版社 2200円)