「検証大阪維新の会」吉弘憲介著
「検証大阪維新の会」吉弘憲介著
「維新の会」の影響力は、今や全国の地方都市にまで伝播しつつある。しかし、その政策の方針は迷走を続けている。
当初、掲げた大阪都構想は2度の住民投票で否決。代わって掲げられた大阪・関西万博も工期遅れや建設費膨張が取りざたされるとその呼称は「日本国際博覧会2025(大阪・関西万博)」となり、大阪・関西というキーワードは後景に退いた。
「身を切る改革」というスローガンのもと公共サービスの膨張に否定的な姿勢を示してきたはずの同党が、最近、強調するのが財政支出の膨張を伴う「教育費の無償化、所得制限の撤廃」だ。
本書は維新の財政政策に注目。財政という実態から同党を分析することでその政策の本質的性格を明らかにするとともに彼らのイデオロギーの実態に迫る政党研究書。
(筑摩書房 968円)