「縮んで勝つ」河合雅司著

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「縮んで勝つ」河合雅司著

 日本社会は目に見えて崩壊を始めていると著者は指摘する。要因は人口減少だ。政府も自治体も対応が後手に回り、その最たるものが少子化対策だという。

 出生数の減少の真の原因は「母親不足」であり、現在914万人を超える出産期の25~39歳の女性人口が、25年後には679万人と4分の3まで減る。少子化対策に莫大な予算を投じても効果が期待できないのは、そのためだ。

 もはや日本は出生数の減少も人口減少も止めようがなく、このままでは100年後には、日本人人口が8割は減るのが明らか。であるならば、政府はこの不都合な真実を受け入れ、人口が減ることを前提として社会を作り直す政策をすべきだと著者は説く。

 人口が減ることをむしろチャンスと捉え、「戦略的に縮む」成長モデルを提示する救国の書。

(小学館 1045円)

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