「縮んで勝つ」河合雅司著

公開日: 更新日:

「縮んで勝つ」河合雅司著

 日本社会は目に見えて崩壊を始めていると著者は指摘する。要因は人口減少だ。政府も自治体も対応が後手に回り、その最たるものが少子化対策だという。

 出生数の減少の真の原因は「母親不足」であり、現在914万人を超える出産期の25~39歳の女性人口が、25年後には679万人と4分の3まで減る。少子化対策に莫大な予算を投じても効果が期待できないのは、そのためだ。

 もはや日本は出生数の減少も人口減少も止めようがなく、このままでは100年後には、日本人人口が8割は減るのが明らか。であるならば、政府はこの不都合な真実を受け入れ、人口が減ることを前提として社会を作り直す政策をすべきだと著者は説く。

 人口が減ることをむしろチャンスと捉え、「戦略的に縮む」成長モデルを提示する救国の書。

(小学館 1045円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  2. 2

    小泉進次郎氏「死ぬまで働け」戦慄の年金プラン “標準モデル”は萩本欽一…なんでそうなるの?

  3. 3

    阪神・近本の“球宴サイクル安打”に感じる恥ずかしさ

  4. 4

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  5. 5

    貴景勝に今場所終了直後の「引退説」…満身創痍で大関陥落も「株・部屋」には不安なし

  1. 6

    大谷が2026年WBCを辞退する可能性…二刀流継続へ「右肘3度目手術」は絶対避けたい深刻事情

  2. 7

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  3. 8

    巨人が決められないバント、出ない適時打の八方ふさがり

  4. 9

    「負けた」はずの琴桜が「勝った」ウラ事情…疑惑の軍配が大炎上《翔猿がかわいそう》

  5. 10

    U18高校日本代表の気になる進路は?ドラ1最大4人、大阪桐蔭勢は早大、法大進学か