「税と社会保障」諸富徹著
「税と社会保障」諸富徹著
日本の一般会計歳出総額のうち3割以上を社会保障費が占めている。一方、歳入の約3割は国債などの借金で賄っているが、今後はインフレ経済への転換で、財政政策は必要な経費を税収で賄う歳入システムへと方向転換せざるを得なくなる。
社会保障費は、租税財源だけでなく社会保険料との混合状態だが、重要なのは租税と社会保険料をどう組み合わせ、社会保障の最適な財源調達システムを構築するかだという。そのとき課題となるのが歳出と歳入の巨大なギャップをどうするのか。ギャップを埋めるために増税すべきか否か、そして増税するならどのような税目でするのかだと著者は指摘する。
少子化という国家的な危機に直面する今、子育て支援を中心に税と社会保障の問題について解説、考察したテキスト。 (平凡社 1155円)