(92)黄表紙は歌麿に画を任せ
恋川春町は口へもっていきかけた盃を止めた。
「とうとう、ですか!」
蔦重、先にお酒をどうぞと目顔で示す。天明三年(一七八三)九月、蔦屋耕書堂は日本橋通油町への進出を決めた。通油町をいけば大伝馬町、両町の界隈には地本、書物を扱う一流書肆が割拠している。春町、美酒を一…
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