(93)上野忍岡でうたまるのお披露目
蔦重、皆の手に白い団扇が渡ったことを確かめた。
「今夜の酒肴いや趣向は“団扇合わせ”でございます」
鋏に絵具、筆の用意も怠りなく。蔦重、上座に鎮座まします南畝へ視線を送る。御大、ウムとうなずいた。
「ホレ、蔦唐丸が見本を」
指名され蔦重は鋏をチョッキ…
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