(97)定信の怜悧な横顔が歪む
江戸は小峰城の遥か南にある。若き藩主松平定信は窓辺から東都を遠望した。
「早晩、私は出府することになろう」
臣下の半蔵は膝行して藩主のもとへにじり寄った。
「ご下命がございましたか」
チラ、藩主は足下をみた。
「反田沼勢力が決起する」
…
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