「秘宝館という文化装置」妙木忍著

公開日: 更新日:

 しかし、その後、各地の温泉観光地に造られた秘宝館では、女性の集客も見込んで、アミューズメント性が強くなり、医学的要素は排除されてくる。

 今は閉館してしまった各施設の概要や興味深い展示物の数々を、写真で紹介。

 本物そっくりの身体が模造・収集・展示され、そこを人々が訪れるという秘宝館の最大の特徴である「身体の観光化」の視点から、起源や発達過程を考察。さらに秘宝館の盛衰を、観光の在り方の変化や日本の社会史的背景の変遷とあわせて分析する。世界遺産となることは決してない、消えそうな庶民文化にスポットライトを当てた貴重な史料である。
(青弓社 2000円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動