「壮年世代のセックス」本
「いまさら」「年甲斐もなく」と鼻で笑っていても、実は心の奥底で情欲の炎を消しきれずにいる。人前で現役卒業・枯淡の境地を語る男ほど、自分の欲望を諦めきれていないともいう。そんな壮年世代に送る「セックス指南本」を紹介しよう。
2010年発売以降、シリーズ累計18万部超え、とひそかに売れているのがこの文庫本だ。第1弾「40歳からの新・大人の愉しみ」は10万部を超える隠れたロングセラーとなっている。その第4弾が「ずっと現役で愉しむ大人の快楽」(永岡書店 680円)だ。
著者は女性のライター・吉田潮氏。セックスや医療をテーマにした記事を執筆しているのだが、決して専門家ではない。ただのスキモノで、趣味が高じて出版に至ったそうだ。特別に新奇性のあるテクニック論でもなければ、医学的な研究理論に基づいたものでもない。ただシンプルに女性目線を生かした、壮年男性向けのハウツー本である。
この第4弾が既刊3冊と異なるのは、ターゲット層を60歳前後に絞ったところ。足腰に負担のかかる奇抜な体位は一切ない。ペニスが勃たなくてもできる愛撫法がメーンで、壮年世代どころか80代でも挑戦可能のハウツーばかりだ。