「妊活カップルのためのオトコ学」小堀善友氏
不妊で悩む夫婦は増えている。不妊治療に関する書籍も出ているが、多くは女性の不妊治療がメーンだ。男性不妊、特に射精障害について詳しく解説した本はほとんどないといってもいい。
「“不妊症は女性の病気”という思い込みが依然として強いのでしょうね。実際の統計を見てみると、不妊の原因の半分は男性なんですよ。勃起できない、射精できない、そもそも性欲が湧かないなど、男性サイドの問題点も実は多いんです」
NHKの番組の影響で「卵子老化」が話題になり、女性が恐怖をあおられたこともあったが…。
「精子も同様、35歳になったら確実に老化します。そもそも男性は生殖や健康に関する意識が低く、無頓着すぎるのが問題です。ペニスやスタミナに対しては過剰に反応しても、生殖関連の知識はほとんどありませんから」
特に、著者が問題視しているのは、女性の膣の中で射精できない「膣内射精障害」だという。
「日本では特に多いんです。手を使わず、床や壁などに圧迫して行うオナニー(床オナ)やあおむけで脚を伸ばしたまま行うオナニー(脚ピンオナニー)を長年習慣にしてきたせいで、通常のセックスで射精できない。間違ったオナニーの弊害ですね。ただし、これは治療や訓練で治ることもあります」