秋吉久美子 元祖プッツン女優から「演技派」までの波瀾万丈
映画「『わたし』の人生(みち)~我が命のタンゴ」で第11回モナコ国際映画祭の主演女優賞を獲得した秋吉久美子(59)。現役の医師でもある和田秀樹監督の介護問題を描いた社会派の作品で、秋吉は認知症を患う父(橋爪功)を介護する女性を演じた。
「わがまま」「生意気」とレッテルを貼られ、現場スタッフからも“もう秋吉とは仕事をしたくない”などと扱いにくい「元祖プッツン女優」。しかも、「演技力はいまひとつ」と業界関係者からささやかれていたが、還暦前に見事に演技派として認められた。
1954年7月、静岡県富士宮市生まれ。公務員の父、母、2歳下の妹の4人家族。父親の仕事の関係で2歳で徳島、6歳で福島・いわきに転居した。小さい頃からクラシックバレエを習い、父親の誕生日には妹と創作ダンスを踊るなど、家族思いの子供だった。
小学校までは優等生で中学でも体育以外の成績はオール5。福島県立磐城女子高等学校(現・福島県立磐城桜が丘高等学校)在学中に文芸部部長を務めた。学校をサボってひとりで海へ釣りに出かけたり、ジャズ喫茶に通う女子高生だった。