<第1回>金田一のボサボサ頭は脱色して黒く染め、さらにパーマをあてて…
――ボサボサ頭にヨレヨレの着物という風来坊のような金田一は、監督のアイデアなのですか?
「監督からは髪を伸ばすようにと言われました。当時僕は七三分けで、長髪がはやっていたから、そのまま長めにして『こんなふうですか?』と伺ったら『もっともっと』と。またしばらく伸ばしてから行っても、『あかんなあ』と言われる。それで、試しに長髪のイメージを絵に描いてみたら、監督はペンで『ここらへん、もっと膨らんでこないの?』と。頭頂部の髪が立ってて、持ち上がるようにというのです」
――今で言うと又吉直樹のような?
「あんなに奇麗じゃないですよ。それに膨らんでもいない。美容師に聞いたら、パーマをかけて膨らませると縮れてしまうから、あえて髪の毛を傷めてボリュームを出すことにしました。まず髪が真っ白になるくらい脱色し、黒く染める。次にパーマをあてて、さらにそれをとるという。全部で4回もの工程でギシギシにしたんです。監督に見せたら『それだよ、その頭いいよな』って」
――ようやくお墨付きを得た。