疲労と人間不信…父の死も重なりハワイの病院で迎えた元日

公開日: 更新日:

「夕やけニャンニャン」の開始から8カ月後、疲労と人間不信がピークになった。さらに父の死という大きなショックを抱えたまま、グループで出すビデオ「臨海学校」の撮影のため、ハワイに飛んだ。私の疲れた顔をみて、「無理をしなくてもいい」と言ってくれるスタッフの方もいたが、環境を変えれば心も晴れるという母の勧めに従ったのだ。その結果、高熱で倒れてしまい、入院となってしまった。

 大晦日、生まれて初めての海外でのカウントダウンをベッドの中で聞いた。1986年元日。記念すべきソロデビューの発売日は、花柄の壁紙に囲まれた病室で迎えた。ちゃんとお雑煮が出た。
――ハワイでも、お雑煮を食べるんだ……。

 食欲はなく、ぼんやりとそんなことを思っていた。全ての感情が停止したままだった。仕事にならない私は、そのまま帰国となった。不思議なことに、家に着いた途端、何事もなかったように元気になり食欲も出た。そしてまた仕事が始まった。 =つづく

(聞き手・長昭彦/日刊ゲンダイ)

▽にった・えり 1968年生まれ。85年、おニャン子クラブ会員番号4番でデビュー。翌年「冬のオペラグラス」でソロデビュー。その後、タレント、女優、作家として活躍。趣味はハンドメード、DIY、旅行。現在は寝たきりの実母の介護をしながら、夫とチワワ2匹と湘南に暮らす。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動