川栄李奈や杉咲花も ドラマ“掛け持ち”大量発生の裏事情
「掛け持ちで私が驚かされたのは、2010年に香川照之さんがNHKの2つのドラマ『龍馬伝』と『坂の上の雲』(2009~11年)に主要キャストとして同時に出演した時です。香川さんのように演技が上手な役者さんにとっては“おいしい”。そこで評価を得て役者としての地盤が固まるからです。しかし、人気者でも、演技がヘタな人にとってはリスクの方が高い。掛け持ちすることによって視聴者に飽きられてしまうからです」
■テレビ局の怠惰!?
人気者に出演が偏ることは必然のように思えるが、俳優のドラマ掛け持ちの背景には、テレビ局サイドの要因もあるようだ。
「キャスティングありきのドラマが目立ちます。視聴率を稼げる人気者ばかりに起用が集中して、新人が育っていません。本来なら、プロデューサーが舞台を見るなどして、新人を発掘しなければならないのですが、その余裕がないので人気者にあやかりたいのでしょう。脚本家としては、『またこの人? なんで?』となりますが、プロデューサーやテレビ局に面と向かってものが言える人が少ない。だから、近年のドラマはつまらないのだと思います。そこに、バーターの問題も絡んできます。芸能事務所としては新人を売り出していきたいので、事務所の人気者を多用し、そこへ新人も一緒にということです。人気者となれば2、3年先まで予定が埋まっているので、今後もドラマの掛け持ちはなくならないと思います」(小田桐誠氏)
いずれ地上波の連続ドラマは、誰も見向きもしなくなるかもしれない。