著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

どこまでも他者に寄り添う「藤井隆」は唯一無二の芸人

公開日: 更新日:

 どうしていいかわからずに迷っていた時に「そんなアナタの考え方はどうでもいいから目の前のことちゃんとしてくださいって、厳しく指導してくださった方が多かったのが、ホントにラッキーだった」(NHK「スタジオパークからこんにちは」16年10月28日)という。その指導どおり、目の前のことを一生懸命やっていたら、みんなに受け入れられた。その経験から「他人が言って下さることのほうが絶対に正しい」(同前)と思うようになっていった。

 レーベルを立ち上げたのも、そんな恵まれた自分の経験を、今度は、「歌ったら似合うだろうな~」とか、「オリジナルの楽曲があれば面白そうだな」と思う芸人たちに提供するためだ(オリコン「ORICON NEWS」19年2月22日)。

 では、自分は何をしたいのかと問われると、藤井は「『僕を見てください』っていうのもないし、自分自身には関心がない」(LINE「ライブドアニュース」18年8月3日)という。

「『僕はこう表現したいんです』ではなく、『こういうのはどうです?』ってプレゼンしているようなつもりでやっています。それをキャッチしてくださる方がいらっしゃるということを糧に、僕は頑張れる」(同前)

 きっと藤井隆の表現者としての核に「自分」はいない。どこまでも他者に寄り添うことで、「藤井隆」という唯一無二の芸人をプロデュースしているのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動