NHK朝ドラ「なつぞら」には華麗な実在モデルがいる!
■森繁久弥、宮城まり子、宮崎駿夫人も
このほかの登場人物にもモデルがいる。おっかない先輩の大沢麻子(貫地谷しほり)は、虫プロダクションに移籍して「鉄腕アトム」の作画を担当する中村和子。なつと同期の渡辺麻友が演じている三村茜は大田朱美で、アニメ界の第一人者となる宮崎駿と結婚する。
白蛇姫で声を担当した豊富遊声(山寺宏一)は森繁久弥、亀山蘭子(鈴木杏樹)は宮城まり子だ。
新宿関係では、なつたちが世話になるレストラン「川村屋」は現在の「新宿中村屋」。そこの常連客の大型書店「角筈屋」の社長(リリー・フランキー)は、多くの作家を育てた「紀伊國屋書店」創業者の田辺茂一。歌手の煙カスミ(戸田恵子)は清酒黄桜のCMで人気となり、コマーシャルソングの女王といわれた楠トシエである。なつのおにいちゃんの咲太郎(岡田将生)は、日本のモダンダンス、タップダンスの草分けといわれる中川三郎らしい。
創作部分の北海道編にも、ヒントとなった人物はいる。十勝に牧場をつくったじいちゃんの柴田泰樹(草刈正雄)は、明治期の開拓団の依田勉三。なつの幼なじみの山田天陽(吉沢亮)は、東京から疎開して農業のかたわら野性味あふれる絵を描き続けた画家・神田日勝のようだ。ただ、32歳で早世してしまう。
「なつぞら」も後半に入り、手塚治虫やウォルト・ディズニーだって登場するかもしれない。
(コラムニスト・海原かみな)