中村吉右衛門 一時心肺停止も千両役者に引退の二文字なし
「昨年暮れに配信のコラムでは“ある手術”を受けたと明かし、体に思った以上の影響があり大声を出すと息が上がったり、立ち上がるにも苦労すると打ち明けられていました」(スポーツ紙芸能デスク)
■80歳で孫と「勧進帳」
歌舞伎の舞台のほか、テレビ時代劇「鬼平犯科帳」シリーズでお茶の間の人気を集めた看板役者。関係者には、ひたむきに役柄に打ち込む姿で知られ、引退など先の先。80歳で「勧進帳」の弁慶を演じ、その舞台で孫の尾上丑之助(7)と共演するとの目標を掲げていた。
ベテラン芸能記者、青山佳裕氏はこう言う。
「吉右衛門さんにはその昔、ご自宅前で直撃取材に応じてもらったことがあります。悪党相手に立て板に水のごとく、江戸弁で威勢よくたんかを切る鬼平のイメージでいたのですが、予期せぬ芸能マスコミの取材だったこともあってか、こちらの質問にうろたえたり、下を向いて黙ってしまうようなご対応であったと覚えております。鬼平は、卓越した演技力でつくりあげられたテレビ時代劇でのキャラクターで、ご本人はもっと繊細で、気の弱い印象すらありました。そのギャップにとても驚いたものです」