覚悟を持って人の行かない道を歩むアンガールズ田中の強さ
冒頭の番組で田中は「芸人って20代の頃って元気とかリアクションとか派手な感じ、華やかさを求められる。30代になったら確実性とかが求められるけど、40代で何が求められるかっていうと説得力なんです」とも語っている。
それは20代で「ジャンガジャンガ」や「キモかわいい」キャラでブレーク。30代では「アメトーーク!」「ロンドンハーツ」(共にテレビ朝日)などを中心に、なんでもできるオールラウンドプレーヤーとして重宝され、40代になって説得力あふれる「批評芸」を求められている田中の芸人人生そのものだ。
田中は自身の「批評芸」について、こう語っている。
「何か偉そうにも見えるし、どうかなとも思ったんですけど、求められている分には、やっていきたいという感じですね。もともと、これがこうなったから笑いが起きてる、みたいなことを考えるのが好きなんですよ。理系出身なので、問題があったとしたら、それを全部理論で考えていくタイプなんです」(Yahoo! JAPAN「Yahoo!ニュース特集」20年12月12日)
お笑いを理論的に語るのはやぼだと言われることが少なくない。しかも、それを芸人本人がやるのはためらわれる。すなわち「人がやりたがらない」ことだ。その道を理論的に導き出した上で、覚悟を持ってできるところに田中の強みがある。