菅田将暉主演「CUBE」は大ヒット映画の公認リメーク それなのに評価イマイチのワケ
もちろん星野源はキャッチーで耳障りの良い音楽を生み出す人気アーティストであり、新曲「Cube」も公開されたMV単体で見た時は「刺激的な一曲」という声もあったが、ドキュメンタリーを見ているかのような不気味さベースの「CUBE」という作品自体の雰囲気には、どうしてもやっぱり合わない。
原作、監督、俳優、主題歌、技術力などそれぞれのピースは最高級なのに、うまく噛み合っていないのが見ていてどうしても歯痒く、<邦画の限界を感じた>という実際のレビューのコメントにもあるようにワンシチュエーションスリラーを日本でリメークするのは時期尚早であったと印象付ける作品となってしまったことが心の底から残念である。
改めて、原作映画「CUBE」を見たら、手に汗を握る最高の1時間半だった。リメーク版で消化不良の人は是非とも原作を見て「補完」していただきたい。
(文=水野詩子/ライター・コラムニスト)