著者のコラム一覧
井上トシユキITジャーナリスト

1964年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒業後、会社員を経て、98年からジャーナリスト、ライター。IT、ネット、投資、科学技術、芸能など幅広い分野で各種メディアへの寄稿、出演多数。

綾瀬はるかコロナ感染入院で炎上 “幼稚な妬み”の構図と優遇批判の筋違い

公開日: 更新日:

 綾瀬へは「事務所のコネで」「著名人への忖度」といった真偽不明の嫌みなコメントが並んだが、仮に周囲がコネを使ったり忖度したとすれば、それだけの価値が綾瀬にあるからだ。

 綾瀬はるかが優遇されるのはなぜか。簡単だ。ネットで批判を書き込んでいるほとんどの人よりも、はるかに多くの相手、スポンサー企業やメディア企業、所属事務所などに多くの実利をもたらすからである。これが経済社会での彼女の価値だ。

 あるアスリートが「日本人は機能と感情をごっちゃにする」と語っていた。今回の炎上に当てはめれば、それぞれの人の生き方や生命を冒涜するのはもちろん間違いだが、その人が能力や努力で獲得した地位や環境を一時の感情で誹謗したり中傷するのも、また間違った行為なのだ。

 人前に立つ仕事だから、仕事上で発揮される能力や背景にある努力への評価や批評はあってしかるべきだ。しかし、本気で「命に優劣はない」と考えるのなら、真っ先に病状を気遣うはずで、綾瀬の環境を妬むことなど思いもつかないだろう。

 なのに、理性と感情とを取り違えた揚げ句、「上級国民への特別扱い」と邪推して妬み、恨み言を書き連ねるのは、あまりに幼稚なダブルスタンダードだ。好感度の裏返しで裏切られた気持ちになったのかもしれないが、死ぬ可能性がある病魔に侵された人を叩いてよいという理由にはならない。(つづく)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  1. 6

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  4. 9

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  5. 10

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…