ジャニーズ性加害問題をTVようやく報道…「メディアのガラパゴス化も露呈した」と識者警鐘

公開日: 更新日:

影山貴彦/同志社女子大学教授(メディア学)

 ジャニー喜多川氏による性加害問題に関して、テレビメディアもようやく動いたことは大きな進歩。しかしながら、BBCをはじめとする海外メディアに取り上げられたことがきっかけという日本メディアのガラパゴス化も露呈しました。民主主義メディアとして自浄作用が働いていないことは反省すべき。

 今回大きな風穴が開いたもう一つの理由に“ネット”の存在もありました。ネット社会になっていたからこそテレビが報じなくても“噂”で終わらなかった。風向きが変わり、今まで報じなかったメディアが何事もなかったかのようにジャニーズ側の対応を報じるだけではメディア全体の不信にしかつながらない。テレビ離れを食い止めるためにも、各社が今後の姿勢を視聴者に示す必要があると思います。

 冤罪と報道をテーマにしたドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」がギャラクシー賞の月間賞を受賞していますが、今までドラマとして扱わなかったテレビ局の“陰の部分”を題材として扱うこともひとつの進歩。今後は芸能プロとの付き合いがよりフラットになり、日本のメディアが健全化することを願ってやみません。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

  2. 2

    豊昇龍にも“綱とりの権利”はあるが…協会に「双羽黒のトラウマ」、素行や人間性も厳しくチェック

  3. 3

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  4. 4

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 5

    佐々木朗希はカネにも執着か…チーム力は度外視、4球団との面談で見えてきた"共通項”

  1. 6

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 7

    佐々木朗希の「独りよがりの石頭」を球団OB指摘…ダルやイチローが争奪戦参戦でも説得は苦戦必至

  3. 8

    斎藤元彦知事は“無双”から絶体絶命に…公選法違反疑惑で刑事告発した上脇教授と郷原弁護士に聞いた

  4. 9

    上沢直之がソフトバンクを選んだ納得の理由 「4年8億円」に対し日本ハムは単年提示だった?

  5. 10

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”