興収50億円を突破した映画「ハイキュー!!」を昭和世代こそ見るべき理由
同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏は「少年時代にマンガに没頭した世代こそ見るべき。今はやりのオジサンがアップデートできる作品」としてこう続ける。
「少年向け作品なのかと思いきや、非常に奥深い。特筆すべきは、登場人物の仲の良さ。ライバルとは敵対せずに前に進んでいるところが今の若者らしさです。しかしながら内なる闘志はちゃんとあるので、僕ら『巨人の星』世代のオジサンも“進化したスポ根の形”がスッと受け入れられる。少年ジャンプが掲げる友情・努力・勝利のコンセプトは変わらないけど、作中キーワードになる『楽しい』というセリフに象徴されるように、もう勝負は死と隣り合わせではなくなったし、『死ぬ気でやる』も死語。最近アップデートものドラマが注目されていますが、時代錯誤なディテールだけが話題になるばかりで、根本的な理解につながっているかどうか曖昧です。そんな中『ハイキュー!!』は共感しているうちに気づいたら、概念がアップデートされているような感覚です。もしも映画スラムダンクを超えるとしたら、そんな時代のフィット感があるのかもしれません」
運動中に水を飲むなと言われて育った昭和世代こそ見るべき作品のようだ。