台湾エンタメが強くなったワケ(1)韓国が急失速…コロナ禍での映画料金値上げも追い打ち
2022年になると「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」など話題になったが、くしくもこの頃から日本の作品がTOP10の大半を占めるようになり、「不時着」「梨泰院」ほど根強い人気を誇る韓国ドラマは激減した。期待値の高かった「京城クリーチャー」でさえも不発に終わっている。
映画界も深刻だ。大ヒットと呼べる作品が減り、投資家も慎重になっているという。原因のひとつはコロナ禍に敢行された料金の値上げだ。ただでさえ景気が悪い中での新型コロナの感染拡大に映画料金の値上げ。人々がネット配信に慣れたのは日本も韓国も同じで、確実に面白いであろう映画でなければ劇場に向かわなくなっている。
あれだけ自国の作品が好きだった韓国人だが、去年の興行ランキングで大ヒットと呼べる韓国映画は3本。日本のアニメ「すずめの戸締まり」や「スラムダンク」にも押されていた。そんな韓国エンタメ業界を横目に急成長しているのが台湾エンタメだ。
私は過去に週刊誌で「台湾はエンタメが残念で、韓国エンタメほどの引きはない」と書き、コメント欄で台湾好きの方たちからフルボッコにされた経験がある。当時、台湾エンタメには韓国ドラマを超える面白さを感じたことがなく、あか抜けないイメージを拭えなかった。ところが、その台湾エンタメがコロナ禍を境に急成長していたのだ。 (つづく)