女優・田中道子さんが語る競馬愛 生来の“穴党”は食費を削ってレースに挑んだことも
計算も得意で1級建築士の資格も保有
そうちゃめっ気たっぷりに話す田中さんだが、考え方はまさしく「理数系」だ。実は、超難関の国家資格・1級建築士でもあるのだ。
「穴馬狙いではあるんですが、いろんなパターンをシミュレーションする中で、購入点数を絞る作業をします。性格的に負けず嫌いなところもあって、1級建築士の試験勉強をがんばれたのもライバルたちのおかげ。通っていた専門学校に負けたくないライバルをつくって、『あの人は受かったのかな?』と常に考えながら自分を追い込んでいました。というのも、2級建築士の試験は大学の勉強でもある程度理解できたのですが、1級ともなると、見たこともないような記号であるとか、複雑な構造計算(モーメントやトラス)、12乗の計算のようなものまであるのです。競り合う人がいることでそれが力になったし、反骨心にもなりました」
こうして合格率十数%の狭き門をくぐってきたわけだ。
「父が小学校の教師をしていて、幼い頃はピアノを習っていましたし、インドア派な性格だと思います。親が止めるくらい本を読むような子でした。ただ、スポーツも得意ではあるんです。高校生の頃にこんなことがありました。同級生の女子にやり投げの優秀な選手がいたのですが、ある日の体力測定でその子が握力39キロ(平均は25キロ程度)という数値を出して、周りの女子たちが『おーっ』とどよめいていました。ところが、私がやったら40キロ……。その子に悪いし、周囲の空気も読んで40キロのことは黙っていました」