1981年とは、70年代に息を潜めていた同世代が時代を席巻し始めた年なのだ
音楽界を離れると、ビートたけしという名前が浮かび上がる。
元日夜にニッポン放送で始まった「ビートたけしのオールナイトニッポン」は速射砲のようなトークで、それから10年にわたり日本全国に大ブームを巻き起こす。
ビートたけしといえばフジテレビ系「オレたちひょうきん族」もこの年から始まる(なお同番組のキャラクター「タケちゃんマン」の衣装は「TOKIO」のパロディー)。
つまり、前年の漫才ブームからひとり抜け出して、ビートたけしが時代の寵児として駆け抜け始めたのが81年なのだ。
さて、ここで並べた面々、寺尾聰、大滝詠一、松本隆、ビートたけし。加えて沢田研二。共通項があるとしたら、それは「団塊の世代」。
1947年=寺尾聰、ビートたけし、48年=大滝詠一、沢田研二、49年=松本隆。そう、団塊世代、ベビーブーム世代にすっぽり入る5人なのである。
ただ、沢田研二以外の4人は「レートカマー」=30代にしてやっと大爆発したのに対して、沢田研二は20代から「トップランナー」だったという違いはあるけれど。
レートカマーの時代、70年代に息を潜めていた30代が時代を席巻し始めた中で、トップランナー沢田研二は、どんな手口を繰り出したのか。