「麻雀放浪記2020」はピエール瀧“同情商法”でヒット確実?
そもそも“いわく付き”の作品ではあった。「雀聖」と呼ばれた阿左田哲也氏の小説を35年ぶりに再映画化。公開に先駆け、1月末に国会議員を対象とした試写会を実施したところ、東京五輪が中止になるという劇中の設定に自民党の秋元司議員がイチャモンをつけ、その後、実施する予定だった試写は一度も開催されない事態となった。映画ジャーナリストの大高宏雄氏は、「試写を行わないのも宣伝戦略のひとつ。ベールに包まれた作品として話題になる」とした上で、こう続ける。
「ヒットするかどうか。それはいずれの作品も公開してみなければ分かりませんが、最近の東映は興収20億円超え目前の『跳んで埼玉』のサプライズヒットがあり勢いがある。大型企画である『麻雀放浪記2020』が公開されることになれば、追い風になると考えられます。1984年に公開されたオリジナルの「麻雀放浪記」(真田広之主演)は通好みのギャンブル映画で客層が限定され、角川映画としては興収10億円に届かず物足りない結果でしたが、今回の白石監督作品は幅広い客層に向けたエンターテインメント性が濃厚のようで、健闘する可能性は十分あるでしょう」
15日夕の時点で「公開の可否や時期、撮り直しの可能性も含め、協議中」(東映宣伝部)というが、20日に行われるイベントは開催予定。相次ぐ芸能界の不祥事にお蔵入りになる事態が続いており、「作品には罪はない」という自粛不要の声も上がっている。炎上ならぬ“同情商法”でヒット確実か。