抜擢したカメラマンたちは村西とおるの“サンドバッグ軍団”
野田義治が経営していたイエローキャブ唯一の所属タレント、堀江しのぶがスキルス性胃がんで余命2カ月と宣告された。毎月300万円という高額の医療費や生活費が野田のもとにのしかかってくる。野田は営業で飛び込んだ村西とおるのもとで、パワースポーツというレーベルから発売される芸能人イメージビデオのプロデューサーとして村西とおるから医療費や生活費に見合う額を得るようになった。
だが村西からの要望も過酷なものだった。
吉永小百合、松田聖子、宮沢りえクラスを口説き落としてこい、というのだ。しかもAVのようなからみはないものの、それに匹敵するだけのセクシーな映像を要求してきたのである。
テレビ局のカメラマンに仕事を発注したものの、彼らは技術はあってもプライドが高く、村西が望むセクシーな映像を撮ることが苦手だった。
野田義治プロデューサーはカメラマン候補として意外な人物の名を口にした。
「日比野正明にやってもらいましょうよ」