ご用心 気温が5度以上低下すると「命の危険」が上昇する
「気温が下がって寒くなると、人は血管を収縮させて血管内を流れる血液の量を減らし、熱を体外に逃がさないようにします。また、代謝を活発にして体温を上げるために、アドレナリンなどが過剰に分泌されます。血管が縮んで細くなると、ポンプである心臓は大きな力で血液を送り出さなくてはなりません。そのため、血圧が上がり、大きな力を必要とする心臓の負担が増えるのです。さらに、アドレナリンの過剰分泌によって血液が固まりやすくなります。冠状動脈が細くなり血液が固まると、急性心筋梗塞になります。脳の血管でも同じようなリスクが高まります」
実際、東丸教授の病院では気温が低下したこの1週間に心筋梗塞や不安定狭心症の患者が倍増したという。
<起床後の1時間以内は特に注意>
肥満、糖尿病、高脂血症などの動脈硬化のリスク因子がある人はもちろん、高血圧だけでも危ない。自分は健康だと思っていても、温度差が血管に悪影響を及ぼすことに変わりはない。健康診断などで見逃される高血圧症、軽い動脈硬化や不整脈がある人も多いから注意が必要だ。