佐野実氏だけじゃない…中高年が蝕まれる“複合汚染”
1990年には、1959年生まれ(今年の誕生日が来て55歳)以降の人の平均寿命は41歳だとする書籍「41歳寿命説」が話題になった。子どものころに防腐剤、着色料、保存料などの添加物や農薬を摂取し始めた世代は早死にすると説いた本だ。
実際、戦後の1948年に60品目だった添加物は、60年代には約350品目になり、今や1500品目ぐらいまで増えている。それだけに気になってしまう。「危険食品読本」の著書がある食品ジャーナリストの椎名玲氏が言う。
「今の40~60代は、子どものころに高度経済成長期を迎えています。主婦も働きに出るようになった世代。家庭では食生活に手間を掛けられなくなり、そこにレトルトカレーやインスタント麺が出てきた。しかも、今ほど製造者が食品の安全性に意識がなかったから、危険な食品添加物がいくつも使われていた。そんな食品を摂取すれば、体は複合的に汚染され病気を引き起こしかねません。また、化学物質は経皮吸収もします。化粧品やシャンプーに含まれる成分でも病気につながるケースがある。乳がんが増えたのも経皮吸収によるものだとの指摘があるくらいです」
長生きしにくい時代である。