「水分摂取療法」でメニエール病のめまいは95%改善する
しかし、薬は対症療法でしかなく、聴力が次第に低下していく。手術もめまいは改善できても、長期的には聴力低下は防げないことが多い。
「ところが水分摂取療法は聴力の改善にも効果が見られます。研究では30%が聴力を改善し、65%が聴力を維持できた。聴力低下は5%でした」
2010年からは、内耳の血液循環をよくする水泳(水中歩行でも可)も患者に奨励している。
「メニエール病は他人の評価を気にする人に多く、ひとつの行動に熱中する熱中行動、嫌なことでも我慢してやり遂げる自己抑制行動が特徴的。これらの人が水分摂取療法や水泳をすることで、メニエール病の予防にもなると考えています」
最近は、耳石の異常で起こる「良性発作性頭位めまい症」の治療にも水分摂取療法を活用。内耳の血液循環を改善することで、良い治療成績が出ているという。
▽メニエール病 めまい、難聴、耳閉塞感、耳鳴りなどを生じる病気。難病指定されている。