「水分摂取療法」でメニエール病のめまいは95%改善する
カフェインと塩分が入っていない水分を、一日の中で分散して飲む。午前中に多めに飲み、就寝2時間前は控えるように勧めている。
「メニエール病の主症状はめまいと聴力低下ですが、多くの場合、耳閉塞感と低音部の耳鳴りが初期症状として出る。この段階でメニエール病を疑い、すぐに水分摂取療法を始めてもらいます」
■聴力改善効果も
多量の水分摂取は心臓と腎臓に病気があるとダメージを与えるので、心臓と腎臓が健康であることが大前提。治療開始前には心臓と腎臓の検査を慎重に行う。この14年間で合併症など問題が生じた人はひとりもいないという。
水分摂取療法のメリットは、心臓、腎臓に異常がなければ、体への害がなく、ほかの病気の予防にもなることだ。
「私は2年かけて患者さんをフォローアップしますが、水分摂取を取り入れることで、長期的には全身の血液循環が改善され、脳梗塞、心筋梗塞のリスクも下げます」
メニエール病の従来の治療法は、内リンパ液を減らす利尿剤やめまい発作を改善する薬を長期間服用すること。それで効果が見られなければ、内リンパ液を排出したり前庭神経を切断する手術が検討される。