【肺結核】 「日本では消えたと思っていたから病名を聞いて驚きました」
定期健診の後、自宅から電車で約30分の紹介された総合病院を訪ねた。
精密検査を受け、喀痰塗抹検査(チール・ネルゼン染色=喀痰中に含まれる抗酸菌の有無や排菌量を見る検査)も受診。下された診断は「肺結核」だった。
肺結核は、重症化すると咳や痰、だるさ以外に、胸の痛みや喀血もある。また、結核菌はリンパ節、腸、骨などにも感染(肺外結核)する場合がある。
「病名を聞いてちょっと驚きました。私たちが若い頃、『労咳』とか『国民病』といわれて恐れられてきた病気でしょう。でももう昔の病気です。数年前、学校での集団感染などが報じられていたのは知っていますが、日本からはほとんど消えた病気という認識でしたから、まさかと思いましたね。どこで感染したか見当もつきません」
肺結核の発症は1945年がピークで、食生活の向上や衛生面での整備に加え、抗結核医薬品の発明や普及で減少した。
ところが、97年になって新規結核患者数が増加し、99年に日本政府は「結核緊急事態宣言」を出す。肺結核は再興の感染症として注目されるようになった。