海外地域別 あなたの知らない「高致死率」感染症と予防法
犬へのワクチン接種が行われない国は多く、かつすべての哺乳類に感染するので、あらゆる動物に注意が必要だという。
インドや医療資源のない地域に長期滞在する場合、予防接種(3回接種で最短3週間かかる)を打ってから渡航すべし。もしも犬に噛まれたら、予防接種の有無にかかわらず、すぐに病院を受診したい。
◆アメリカ大陸
トリパノソーマ・クルージという原虫を持ったサシガメ(昆虫)が媒介する「シャーガス病」が流行している。刺されたり、糞に含まれる病原体が目や口の粘膜から入ったりして感染する。
「急性感染と呼ばれる初期段階では、血液中に原虫が多数存在し、発熱や頭痛などを引き起こします。この段階で服薬すれば完治しますが、急性症状が自然に治って、気付かず慢性感染になってしまうと、原虫が消化器や心臓の筋肉を傷害して心不全や突然死を引き起こします。この段階では根治的な治療法はありません。中南米のログハウスは特に危険で、こうした場所で虫に刺されたり、刺された痕があったりで何らかの全身症状が出現したら、すぐに病院へ行くべきです」