海外地域別 あなたの知らない「高致死率」感染症と予防法
ワクチンはない。粗末な家屋は避けて、衛生環境の良いホテルに宿泊した方がいい。
◆欧州
「ダニ媒介性脳炎」が蔓延している。アルプスなどマダニが多く生息する郊外はとりわけ注意が必要。長袖・長ズボンを着用し、ズボンの裾もソックスに入れるなど、肌の露出をできる限り避けたい。
「皮膚に食いついているダニを無理に取ると頭だけ残ってしまうので、そのまま病院を受診してください。背中など見えにくい場所についていないかも要チェックです。牛やヤギの生乳、ナチュラルチーズを介して感染することもあり、非加熱の乳製品や生肉は食べないのが賢明です」
ウイルスの潜伏期間は7~14日。発熱、頭痛など風邪に似た症状に続き、けいれんやめまいなどの神経症状を発症する。死亡率は1~3%と低いが、治療法がなくマヒが残る場合も。欧州では不活化ワクチンが接種できる。
◆アフリカ
数多くの感染症が存在するが、特にブッシュミートと呼ばれる、コウモリやサルなどの野生動物を捕獲して食べることは、大きな感染源のひとつ。2013年に西アフリカでアウトブレークしたエボラ出血熱に感染する可能性もある。
「発展途上国だけに流行する感染症は、ワクチンや治療法が確立されていないことが多いので、感染すると非常に高いリスクを伴います。地域によっては、トラベルクリニックなどでしっかり予防対策を講じてから渡航することをお勧めします」