水分大量摂取が招く「水毒症」 熱中症対策は“一緒に梅干し”で
中高年になると腎臓の排出能力も下がり、体内に水分がとどまってしまう。このように分解、排出が追いつかず、水分が血液にたまると水毒症を引き起こす。
■昏睡状態に陥ることも
また、血液中の塩分濃度を検知し、喉の渇きを促して水分量をコントロールするADH(抗利尿体ホルモン)の働きも、急激に水分を摂取すると追いつかなくなってしまう。
「水は腸から一度、吸収されて血液へ合流します。大量の水分を摂取すると血液中の塩分濃度が一気に低下し、濃度が低い方から高い方へ移行する浸透圧の働きによって水分は血管から周辺の細胞へ移動します。水を大量に含んで膨化した細胞は機能低下を起こし、最後は破裂、死滅する場合もある。中でもデリケートな脳細胞は影響を受けやすい。脳の中の細胞が多く死滅すると、さまざまな全身症状を引き起こします」
水毒症になると、初めはイライラして機嫌が悪くなり、ふらつき、めまい、吐き気などが生じる。ひどい場合は、意識を失い、全身痙攣を生じて、昏睡状態になってしまう。意識のない時に嘔吐が起これば、吐瀉物が気管に詰まり呼吸停止を招く。こうなると、死亡リスクがアップする。